
鴨場を見学できると聞いたのですが、どうすれば見る事が出来ますか?
この記事はこのような悩みにお答えしていきたいと思います。
鴨場とは?
鴨場(かもば)とは、野生のカモを捕る『鴨猟』を行う場所の事で、特に江戸時代には、将軍家や大名たちが鴨場を各地に所有して、狩猟や社交の場として利用していました。その当時は飼い慣らされた鷹(たか)を使い、野生のカモを捕まえていましたが、明治以降は、皇室が、網を使って野生のカモを無傷のままで捕獲する独特の技法を継承して保存を図り、今日に至っています。


開催時期と応募方法
宮内庁が管理している鴨場は、埼玉県越谷市の「埼玉鴨場」と千葉県市川市の「新浜しんはま鴨場」の2か所。
開催時期は、夏(6月~7月)と冬(2月~3月)の年2回行われています。詳しい日程が決まったら宮内庁のホームページかまたは、市川市の広報新聞「県民だより」に記載されます。県民だよりは新聞の折り込みか、県庁、市役所、公共施設に設置されています。
応募方法は、通常はがき又はメールです。
参加料 無料
当選、抽選結果は、当選者にのみ、開催日の3週間前頃までに通知されます。



私は、年末12月頃から、宮内庁のホームページを頻繁にチェックして応募し、3月の見学会に行きました。その時は宮内庁の事務員の方から当選の電話がかかってきましたよ!
千葉県市川市「新浜鴨場」見学会の様子


明治26年に開設された新浜鴨場(しんはまかもば)
住所は市川市新浜(にいはま)ですが、明治に新しく作られたので新浜鴨場(しんはまかもば)と呼ぶそうです。見学会の集合場所はこの門前になります。


見学会は約1時間半。集合時間になると検温と点呼をして、約30人が一緒に見学します。※マスクは任意
敷地内の建物


建物は2棟。向かって左が、皇族が休息される御休所(ごきゅうしょ)右の建物は食堂です。
建物に着いたら鴨場についてのビデオ上映が25分ほどあり、そのあと建物内の野鳥やカモの展示してる剥製を見る事が出来ます。
※建物内は撮影不可です


食堂は現在も使われていて、招待客は、合鴨のすき焼きや、ステーキなどが振舞われるそうです。
ちなみにアヒルとマガモの交配種である合鴨の料理が供され、野生のカモは食されていないそうです。



建物内にはお食事の時の、佳子様と眞子様のお写真も飾られていました!


実際に野生のカモを観察する


つぎに、元溜(もとだまり)といわれる約4千坪の池に移動します。
(赤い矢印に沿って徒歩2~3分)


池の周りは観察できる小屋がたくさんあり、人の気配を消すため人工的に竹藪を作っています。
※野生のカモは警戒心が強いため


池の周りにある小屋の覗き窓からそっと確認します。


この元溜には、飼い慣らされたアヒルが200羽ほど泳いでいて、シーズン中はここに野生のカモが飛んできて混じります。※シーズンは11月から2月の中旬
そして木の板を叩く音でエサが貰えると、職員の方が普段からアヒルに調教しているので、小屋にある管から稗(ひえ)を流しておびき寄せます。


そしてさらに袋小路になっているこちらの引堀(ひきぼり)におびき寄せます。


覗き窓でカモたちが集まってきた所を確認できたら、網をもった職員が一斉に堀を囲み、飛び立つカモを網で捕まえるという方法です。




見学会はこの狩猟は見る事が出来ませんが、エサにつられたアヒルは見る事が出来ます!


カモを捕まえる叉手網(さであみ)は、カモを傷つけないように絹糸を使い、全て手作業で作られています。
会の終わりに網を持って写真撮影も出来ます!


このような引掘が、8か所並んでいます。
捕獲したカモは標識を付けて放鳥する
昭和47年以降、宮内庁では自然保護や調査に協力する観点から、カモに標識を付けて放っています。カモはシベリアや北米以外でも、西はウクライナ、東はカナダやアメリカ、メキシコ、フィリピンからも日本に渡ってくることが確かめられています。鴨場のカモは傷つけることなく、捕獲できるので各方面の研究に役立っています。
まとめ
いかがだったでしょうか?
鴨場の見学会の様子を紹介しました。
宮内庁が管理する鴨場は、皇室が内外の賓客をもてなす場として現在も利用されており、そんな場所に踏み入ることが出来る見学会は本当に貴重な体験です。
興味がある方は是非参加してみてください!


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